スネア音のカスタマイズはドラムヘッドやミュートゲルを使うだけでない。
むしろそれらのカスタマイズはガッツリ調整するというよりかは、微調整といったニュアンスのほうが強い。
ではガッツリとスネア音を変える方法はスネアを買い替えるしかないというのかと言われればそんなことはない。
スネア音のカスタマイズはスナッピーを42本線のものに変えるだけで、劇的にキャラクターが変わる。
そこで本記事では42本線スナッピーをスネアに付けると音はどうなるか、また42本線のスナッピーががおすすめな理由について解説していく。
Contents
スナッピーはスネアの音を成立させるために必須
スナッピーとはスネアの裏側についているジャラジャラしているあれだ。あのワイヤーのことをスナッピーと呼ぶ。
スネアのスナッピーをオフにして叩くとポンポンとしか鳴らないが、スナッピーをオンにするとサウンドは一変、タンタンと小気味の良い音を放つようになる。
ポイント!
このようにスネアサウンドのキャラクターを確立するためにスナッピーは必要なのである。
通常のスネアに付属しているスナッピーは24本線が主流。
しかしグレッチのスネアには初めから42本線スナッピー標準搭載されていることがある。
24本のスナッピーを42本ワイヤーのスナッピーに変更すると、そのスネアのキャラクターは本当に変わる。
42本線スナッピーの3つの音質効果
1.ゴーストノートが出しやすい
ゴーストノートを簡単に言えばスネアを軽くたたいたときの音のことだ。
タンッという音ではなくカサカサみたいな。
ゴーストノートを使うことで完全に16分のノリを出さず、ねちっこいテクニカルなドラミングが表現できる。
当然だが、このカサカサと鳴る音はスナッピーが担っている。
スネアを軽く叩いたときに生じる振動をスナッピーのワイヤーが感じとり、ボトムヘッドとの干渉することでこのような音が鳴る。
したがって、振動を感知するスナッピーの本数が多ければ多いほど敏感に振動を感知するようになり、よりきれいにゴーストノートを表現することができるのだ。
ポイント!
2.ミュート効果
スナッピーはスネアのボトムを押さえつけるように張られているため、若干のミュート効果も加わることになる。
ミュートといってもそこまでスネアの音を押さえつけるようになるのではなく、胴鳴りの分をスナッピー音に変換した程度のもの。
だから、リングミュートやミュートゲルを使用した時みたいにガッツリ倍音がなくなるわけではないから安心してくれ。
ミュートされるというよりは「ザ・スネア音」になると考えたほうが近いだろう。
3.アタック音の強調
スナッピーが42本線になることによって、スナッピー音が加算されるためアタック音が強調される。
より力強いサウンドを求めているなら確実にスナッピーを変えたほうが良い。
タイトな音になるというよりは、ジャリ感が増えると考えたほうが近い。
【まとめ】42本線に変えたときの総評
スナッピーを42本線に変えるのがおすすめな人は
ゴーストノートを多用し、少しジャリ感をプラスしたい場合に変えると良いだろう。
このジャリ感が少し邪魔になるのではないか?と思うかもしれないが、思っている以上にアタック音に溶け込んでくれるから、全然邪魔にならない。
それよりも繊細にゴーストノートに反応してくれるから、アタック音を増強するだけではなくテクニカルなフレーズのサポートをしてくれるのが42本線スナッピーなんだ。
42本線スナッピーは高い?
手軽にスネアの音をゴージャスにできる42本線スナッピーの価格相場は思っているほど高くはない。
多くの場合は2000~4000円の間で購入できるから誰でも手軽に挑戦することができる。
これが1万円とかするならちょっと手が出しにくいが、低価格で手軽に繊細なタッチに反応してくれるようになる42本線スナッピーを購入できるのはスネアカスタマイズにおいて非常に助かる。
42本線スナッピーを選ぶ基準
42本線スナッピーといっても非常に多くのメーカーから販売されているから、選ぶときに波戸のスナッピーを購入したらいいか迷ってしまう。
ぶっちゃけた話、どれでもいい。
たしかにメーカーによって独自の加工がなされているから、若干音が違うこともある。
しかしそれは細かい部分の話で基本的には42本線ということに変わりはないから、そのメリットは十分に受け取れる。
だから、好きなメーカーや、自分の巣かっているスネアと同じメーカー、はたまた値段が安いものを優先的に購入する等、自由に決めるといい。
スネアヘッドはCSを使うかクリアを使うかでだいぶ変わる。
一方で、42本線のスナッピーの違いはドラムヘッドほどの違いは生まれない。
ドラムヘッド方が個性や違いの幅は大きく広がりやすいといえる。
メーカー別おすすめの42本線スナッピーと特徴
TAMA ( タマ ) / MS42R14
※表がはみ出る場合は横にスクロール可能
価格 | 1610円~ |
メーカー | TAMA |
サイズ | 14 |
素材 | カーボンスチール |
特徴 | カーボンの速いレスポンス |
TAMA ( タマ ) / MS42R14には2種類あり
- MS42R14「S」
- MS42R14「C」
がある。
の特徴はカーボンスチールによってできてるため素早いレスポンスを返してくれるのが特徴だ。
品番がSの方はカーボンスチール。
Cの方はハイカーボンとなっていてそれぞれ特徴が違う。
簡単に説明すれば、Sの方がややトーンが低く太い音。
Cの方は若干音は軽くなるがハイカーボンにより、Sよりレスポンスが速くピッチは高くなる。
選ぶ基準としては、スネアの粒立ちを際立たせたいならカーボンスチールの「MS42R14S」を。
よりゴーストノートを繊細に拾いたいなら「MS42R14C」。
ただ、MS42R14Sはどのメーカーの42本線スナッピーよりも安く、抜群にコスパはイイ。
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SABIAN ( セイビアン ) / SAB-SBHY42
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価格 | 3980円~ |
メーカー | SABIAN |
サイズ | 14 |
素材 | ・フォスファーブロンズ30本 ・ステンレススチール12本 |
特徴 | まとまりがあり落ち着いている |
SABIAN ( セイビアン ) / SAB-SBHY42は素材が混合されているのが特徴。
通常のステンレス鋼12本に加え、Phosphor Bronze(フォスファーブロンズ)を30本混ぜていることで暴れを少なくし、まとまりのある音質を実現している。
落ち着いたまとまりのあるスナッピーだから、ジャズやポップスに向いている。
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CANOPUS ( カノウプス ) / CPSL-14DR42
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価格 | 5150円~ |
メーカー | CANOPUS |
サイズ | 14 |
素材 | ヴィンテージワイヤー |
特徴 | 繊細かつメリハリのある |
商品の品番にDRとあるがこれはドライという意味だ。
その名の通りスナッピー音もドライなサウンドが特徴的で、メリハリのきいたサウンドになる。
また、このモデルはエンドプレート(両サイドの金属部分)がめちゃくちゃ薄くなっているから、その分だけボトムヘッドとスナッピーの密着度が高くなるから、より繊細な振動もゴーストノートとして表現してくれる。
42本線だとアコースティックでは強すぎるかなと思いきや、ヴィンテージワイヤーがイイ感じに中和してくれる。
全然違和感がないから、悪目立ちしない。それでいて存分に42本線のメリットを生かせるスナッピーだ。
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CANOPUS ( カノウプス ) / CPSS-BB14SNPW
※表がはみ出る場合は横にスクロール可能
価格 | 3980円~ |
メーカー | CANOPUS |
サイズ | 14 |
素材 | バックビートスネアワイヤー |
特徴 | 埋もれない爆音仕様 |
コチラもカノウプスの42本ワイヤーだが少し特徴が違う。
というのも上記のはヴィンテージワイヤー、そしてこのCPSS-BB14SNPWはバックビートスネアワイヤー(Back Beat Snare Wire)というものが使われている。
商品名にあるBBというのはバックビートのことを指している。
激しいサウンドの中でも埋もれないよう作られたスナッピーだ。
そのために特別に作られたワイヤーがこのスナッピーに使用されているバックビートスネアワイヤーなんだ。
したがってロックなどガンガンスネアを鳴らしていくならこのスナッピーがおすすめだ。
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GRETSCH ( グレッチ ) / G5412
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価格 | 3080円~ |
メーカー | GRETSCH |
サイズ | 14 |
特徴 | 音圧と繊細さのバランス |
42本線のスナッピーといえばまずこのG5412が思い浮かぶかもしれない。
というのもあの伝説的ロックバンドレッドツェッペリンのジョンボーナム(通称:ボンゾ)が使っていたからだ。
このスナッピーは当時のボンゾの音圧を彷彿させてくれるが、実は繊細なゴーストノートも感じ取ってくれるから非常に使い勝手が良い。
高水準でバランスが取れている。購入価格も決して高いわけではないため、迷った時にはこれにしておけば確実に失敗しない。
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よりボンゾに近づきたいならスネアも変えてみてはどうだろうか。
ボンゾはこのスナッピーをLudwigのLM402に装着していたのは有名な話。
ボンゾのスネアの詳細は【Ludwig/LM402の特徴と口コミ!他のシリーズとの違いは?】で解説している。
PEARL ( パール ) / SN-1442
※表がはみ出る場合は横にスクロール可能
価格 | 2380円~ |
メーカー | PEARL |
サイズ | 14 |
シリーズ | ウルトラサウンド |
特徴 | 選べる3種のエンドプレート |
このスナッピーの特徴はエンドプレートの形状が3種類用意されていることだ。
それぞれによって若干特徴が異なってくる。
SN-1442C
エンドプレートがCの形になっていて中央がくぼんでいることにより、ワイヤーの揺れ幅が大きくテンションがゆるい仕様になっている。
これによりゴーストノートは拾いにくくなるが、スナッピーがジャリジャリとなるのである。
他社のモデルで似ているのはカノウプスのCPSS-BB14SNPWである。ロックに向いているスナッピーだ。
実際このスナッピーを購入したことがあるのだが、ちょっと俺には合わなかったかな・・・。
ちょっとワイヤーテンションがゆるく、なんとなくイメージが違ったからだ。
SN-1442D
コチラは逆にエンドプレートがDの型になっている。
膨らむようになっているため、より接地面は大きくなりテンションもタイトになる。
したがって繊細なゴーストノートを拾うことができるが、ジャリジャリ感は少しなくなる。
SN-1442I
これはエンドプレートがフラットになっているモデルで上記で紹介したモデルのちょうど中間に位置するレギュラーモデルといえる。
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GIBRALTAR ( ジブラルタル ) / SC-4471
※表がはみ出る場合は横にスクロール可能
価格 | 2380円~ |
メーカー | GIBRALTAR |
サイズ | 14 |
特徴 | 主張しない音量 |
俺はぶっちゃけこのスナッピーを愛用している。
というのも俺は音量自体は欲していないものの、ゴーストノートをしっかりと表現したかったからだ。
他社メーカーだとどうしても42本線特有のジャリ感が出てしまい、人によってはちょっとだけ主張が強いと感じる。
だがこれは違う。
音量やジャリ感は出ない代わりに、その分だけ繊細なタッチにかなり素直に早くレスポンスを返してくれる。
俺はもともと鳴りの良いスネアを使っていたから、足りない繊細さを加えるのにベストだった。
フルショットした時のジャリ感は加えずに、ゴーストノートに反応させたいならかなりおすすめできる。
その反面、スネアによって左右される部分が大きいが、ロックなどのジャンルには向かないスナッピーともいえる。
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42本線のスナッピーは上記のモデルが主流
現在販売されている42本線のスナッピーは上記で紹介したものがメインとなる。
自分に合った42本線のスナッピーはあっただろうか。
こんなに安く自分のスネアの音色を変えられるのは42本線のスナッピーだけかもしれない。
ぜひ試してみてほしい。
個人的にオススメなのは、ジャリ感を加えずに、繊細なタッチに素早くレスポンスを返してくれるジブラルタルのSC-4471がおすすめだ。
SC-4471を検索