ここではシンバルの選び方がよくわからないという人のために、どの部分に注目して選べばよいかについて解説している。
やみくもにシンバルを買っても納得のいく音を得られるわけではない。
シンバルはスネアのようにチューニングという設定がないからだ。
以下で解説する部分に注目して、自分に合ったシンバルを選んでいこう。
Contents
主要シンバルメーカーの選び方
ここで説明するシンバルメーカーの特徴はあくまでも一般的に言われている特徴であり、その音質はシンバルラインによって違う。
しかし、下記のメーカーはその傾向があるということで参考程度にとどめておくと良い。
パイステ(PAISTE)
パイステは言わずもがなキラキラ系の音質で有名なシンバルメーカー。
派手なサウンドで結構音量の出るシンバルが多く、ロック向きなシンバルメーカーといえる。
セイビアン(SABIAN)
パイステはキレイな高音域が特徴的だが、それとは打って変わってセイビアンは乾いたサウンドで特徴的。サスティーンも短めで柔らかなタッチにも繊細に反応してくれる。ウェイトの関係性もあるだろう。
それゆえ、ジャズではSABIANの使用率は高い。
また、独特の形や鳴りを出すことができるエフェクトシンバルも豊富なのがSABIAN。
ジルジャン(Zildjian)
ジルジャンはラインナップの種類が豊富でオールジャンルに使用できるメーカーとなっている。
パイステとセイビアンの間に位置するようなメーカー。
どちらかといえばSABIAN寄りの音質に近く、ジャズ・フュージョンに使用されている。
しかし、ロックジャンルでもジルジャンは使用されているから、やはりオールランドに使用できるシンバルメーカーといえるだろう。
- パイステ・・・ハイピッチ、煌びやか、ロックにおすすめ
- セイビアン・・・乾いたサウンドで優しいタッチでも反応
- ジルジャン・・・中間に位置しラインナップ次第でどのジャンルにも
ドラムシンバルの種類
ハイハットシンバル
ハイハットなしでは、ドラムセットを組むことはできないといってもいいほど必要なシンバル。
ドラムセットでパカパカと開いたり閉じたりしているシンバルだ。
閉じて叩くと「チッチッチ」と刻むことができる。主に静かな場面や、盛り上がる直前は閉じてハイハット刻むことが多い。
逆に開けたまま鳴らすと「シャンシャンシャン」とノイジーに刻むことができる。サビ等、派手なサウンドを奏でるときにハイハットをオープンして刻む
ちなみにハイハットは上のシンバルをトップといい、下になるシンバルをボトムという。
ほとんどの場合ボトムは厚めのハイハットを、トップはボトムより薄いハイハットを使うことが多い。
クラッシュシンバル
使用場面は様々で、主に小節の一番初めにバスドラやスネアなどと一緒に叩かれることが多い。
小節の頭にクラッシュが入っていないと、区切りがわかりづらく、さらには音質的にもかなり物足りない曲になってしまう。
したがって、99%のドラムセットにクラッシュシンバルは備え付けられている。
また、激しい場面でハイハットやライドの代わりにクラッシュで刻むことがある。そうすると曲のバックボーンに広がりだすことができるんだ。
ハットかクラッシュどっちで刻む?
オープンハイハットでもシャンシャン鳴るし、クラッシュで刻んでもシャーンとならすことができる。
果たしてどちらで刻むべきか?正直言って決まりはない。
ハットは歯切れがよくノイジーに。クラッシュで刻む場合は音がつながって聴こえるため広がりが出る。
ぶっちゃけ、そこは君の完成が問われる場面だ。正解はない。いや、全部正解だ。
チャイナシンバル
チャイナシンバルは「クシャーン」とアクセントをつけたい時にならすシンバル。
見た目は外側に行くにつれて反り返っているのが特徴だ。
ライプハウスで備え付けられていることは極めて珍しく、自分で用意しなければならない。言ってしまえばプラスワンシンバルだ。
アクセントに合わせてチャイナを使うことが一般的だ。
しかし、ドラムに明確なルールはない。チャイナでビートを刻むのも良し、ガッシャーンと頭にチャイナを持ってくるのも良し。
あると便利なシンバルだ。
メシュガーのドラム「トーマスハーケ」なんかは頻繁にチャイナでビートを刻んでいる。
スプラッシュシンバル
スプラッシュシンバルも基本的には自分で持ち込まなければならない。
スプラッシュシンバルの口径は小さく、「シャン」と歯切れの良い音がする。
アコースティックな場面で大活躍するシンバルだ。
ライドシンバル
ライドシンバルはハイハットと同じようにビートを刻むときに用いられる。チンチンとなっているやつ、あれがライドシンバルだ。
ライドを使う場面は、その演奏をより強調したい時に用いられる。
たとえば、間奏などが挙げられる。
しかし、ルールはないから、自分の感性に従って使うといい。
また、右利きの場合、右手側に設置されていることが多いため、タム回しの後にクラッシュの代わりとしても使われれる。
ライドシンバルのボウの部分で刻めば、クラッシュよりローピッチかつ広がりのあるビートを刻むことができる。
カップの部分で刻めばより強烈に「キンキン」と刻むことができる。
エフェクトシンバル
上記で紹介したドラムシンバルとはまた違った様々な形のシンバルのことをエフェクトシンバルという。
チャイナやスプラッシュなどもエフェクトシンバルに分類されるが、わかりやすく、細かく分類するために本記事ではチャイナとエフェクトシンバルを分けて記載している。
たとえばセイビアンのロクタゴン。
六角形の形をしている面白いシンバルだ。
チョッパーというのものある。
少々たとえは悪いかもしれないが、ミニチャイナが割れたときのような音がする。もちろん音色は割れたシンバルよりもきれいなのだが。
あとはクラッシュシンバルに穴が開いたものや、「チーン」とサスティーンのメチャクチャ長いカップチャイム等本当に色々なシンバルが存在しているんだ。
ドラムシンバルのウェイトとは?
ウェイトの種類
シンバルを購入するにあたってウェイトの比較は欠かすことができない。
なぜなら耐久性やサスティーンに深くかかわってくる部分がウェイトだからだ。
ウェイトというのは厚みのこと。
- 一番軽いものはペーパーシン(Paper thin)
- 一番重いものはエクストラヘビー(extra heavy)に分類される。
以下でウェイトの種類と特徴や選び方を詳しく解説していく。
ウェイトの特徴比較
※表がはみ出る場合はスクロール可能
和 | ペーパーシン | シン | ミディアム | ミディアムヘビー | ヘビー | エクストラヘビー |
英 | paper thin | thin | medium | medium heavy | heavy | extra heavy |
厚み | 極薄 | 薄 | 並 | やや厚 | 厚い | 極厚 |
音量 | 極小 | 小 | 並 | やや大 | 大きい | 爆音 |
耐久 | 極低 | 低 | 並 | やや高 | 高い | 最強 |
残響 | 極短 | 短 | 並 | やや長 | 長い | 極長 |
ピッチ | 極高 | 高 | 並 | やや低 | 低 | 低 |
反応 | 超速 | 速い | 並 | やや遅 | 遅い | 悪い |
ジャズ←・→メタル
※反応(レスポンス)とは柔らかなタッチでどれだけ反応するか、または、キレイになるかを表している。
反応(レスポンス)が良ければ優しくたたいてもしっかりなるから表情が付けやすい。
逆にレスポンスが悪いとしっかりならないため、シャーンとならずにゴーンと鳴ってしまう。レスポンスは厚くなるほど悪くなる。
したがってジャズ系では表情を付けるためによりペーパーシン寄りに、メタルは音量アクセント重視だからヘビー系の選び方にするとよい。
ピッチに関しては大きな違いを想像しているかもしれないが、実はそこまで大きな差はない。
ハンマリングの種類
ハンマリングとはシンバルの表面にあるデコボコしているやつだ。
シンバルをガッコンガッコンとハンマーでたたくことによって倍音を調整している。
このハンマリングという作業があるからこそ、シンバルはキレイなサスティーンを得ることができるんだ。
ポイント!
しかし、いまだ手打ちいわゆるハンドハンマリングが行われているメーカーもある。
それは知る人ぞ知るイスタンブールというメーカーだ。
イスタンブールはジルジャンから派生したメーカー(職人が独立して立ち上げた)だから、ジルジャンの良さを持った独自メーカーといえる。
ハンマリングが均一であればサスティーンはキレイに伸びる。
これはあらかじめマシンでハンマリングの設定されているからそこのサスティーンだ。
一方でハンドハンマリングはランダムに細かく打ち込むことで、より細かなサスティーンが得られる。
エントリークラスのシンバルにはハンマリング加工がされていない、またはハンマリング痕が薄い場合がある。
シンバルフィニッシュの違いと選び方
さて、上記では様々なシンバルを紹介した。しかし同じシンバルでも「仕上げ」が異なる。いわゆるフィニッシュってやつだ。
正直見た目以外に明らかに分かる部分は存在しないが、多少違いがあるので解説しておく。
レギュラーフィニッシュ
あまり光沢のないナチュラルな仕上がりのシンバルをレギュラーフィニッシュという。メーカによってはレギュラーフィニッシュのことをトラディショナル・フィニッシュともいう。
仕上げに無駄な削りなどを施していないため、そのシンバルが持っている最大限のサスティーンを発生させることができる。
仕上げに削ったりしていないためレイジング(音溝)も深く、高音域がよく出る。
レイジングが深ければそれだけ振動が発生し、倍音が伸びるからだ。
レコードでおなじみのあの「溝」のことだ。
自分のシンバルをよく見て見てくれ!細い溝がぐるぐると彫られているはずだ。
レイジングが無い場合は、それはもともとレイジング加工がなされていないモデルなのであろう。
ブリリアントフィニッシュ
シンバルの最後の仕上げとして、削りだして光沢を加えたものをブリリアントフィニッシュという。
削って光沢を出しているもんだから、レギュラーフィニッシュのシンバルよりもわずかに薄くなっている(らしい。)
したがって、ブリリアントフィニッシュのほうが薄く振動が少ないため、サスティーンが短い。(らしい)
音溝(レイジング)も浅くなっていることも倍音の少なさに影響している。(らしい)
単体で聴き比べたらわかるかもしれないが、アンサンブルに紛れてしまうと正直分からない。
シンバル詳しいぞおじさんはやたらとこだわっているが、正直そんなもん机上の空論にしかすぎないと思っている。
ちなみに俺のフィニッシュの選び方はブリリアントフィニッシュ一択だ。カッコいいからな。もっとも、フィニッシュの音質の違いにまでこだわってるドラマーはたくさんいるけどな。
フィニッシュの見分け方
たとえば【AAX O-ZONE CRASH】の場合もレギュラーフィニッシュとブリリアントフィニッシュがある。
見分け方としてはほとんどの場合、品番にブリリアントの「B」が加わっていることが多い。
逆にレギュラーフィニッシュの場合は何も記載さて例ない場合が多い。
シンバルの選び方Q&A
いいえそんなことはありません。
プロはシンバルメーカーを揃えている場合が多いが、それはエンドース契約を結んでいるからだ。
つまりシンバルメーカーがプロドラマーのスポンサーになっていて、ドラマーはそのメーカーの販促をしないといけないから、全部そのメーカーでそろえていることが多いんだ。
素人の場合は好きなシンバルを揃えるといい。
でも、やはり音色の系統はあるから、揃えたほうが統一感は出る。
チャイナシンバルがおすすめ。
友達とバンドを組んで一番初めに買うべきシンバルはチャイナシンバルだ。
クラッシュシンバルやハイハットは基本的にスタジオに備え付けられている。
しかし、チャイナシンバルは99.9%備え付けられていない。
チャイナシンバルはアクセントをつけたり、区切りをつけたり、さらにはビートを刻んだりできる優れものだ。
したがって一番初めに購入すべきシンバルはチャイナシンバルといえるだろう。
シンバルの選び方まとめ
上記で解説したのはあくまでもシンバル選びの基本だ。
どこぞのメーカーと契約を結んでいる以外、自由に自分の好きなシンバルを選ぶといい。
しかし、エントリークラスと、ハイエンドモデルのシンバルの鳴りはさすがに違う。
音の細かさや音色が格段に違う。
選び方としては耐久性を重視するならウェイトもしっかりこだわる。
レスポンスにこだわるなど、今やっている音楽によって選び方を変えてかなければならない。
シンバルは最大で実質10%offのサウンドハウスがおすすめ。
単発で購入するならアマゾンもいいが、今後も機材を買うなら断然サウンドハウスがおすすめだ。
今すぐ自分のお気に入りのシンバルを探してみよう!
今すぐシンバルを検索