力強くも明るいサウンド、詰まっておらずオープンなサウンドの調整。
スネアのチューニングにおいて1番難しいのはコレだ。
最も標準的なスネアヘッドのコーテッドアンバサダーでは少々音量が物足りない。
しかしコントロールサウンドまで行ってしまうとアタックが強すぎる。
そんな時にオススメできるスネアヘッドがアンバサダーとエンペラーのちょうど中間点に位置する「REMO/AX-114 コーテッドアンバサダーX(COATED AMBASSADOR X)」だ。
ちなみに「コーテッドアンバサダーX」と呼ばれたり「アンバサダーXコーテッド」などと呼ばれたりするが、順番が違うだけでどちらも同じだ。
Contents
コーテッドアンバサダーXのスペック
※表がはみ出る場合は横にスクロール可能
価格 | 1280円~ |
メーカー | REMO |
厚み | アンバサダー X仕様 |
プライ | 1プライ 1.2mil |
口径 | 14インチ |
音質 | 標準よりほんの少し厚め |
特徴 | チューニングしやすい |
AX-114を検索
コーテッドアンバサダーXの特徴
中間音より絶妙にロック寄り
標準的なスネアヘッドのコーテッドアンバサダー(COATED AMBASSADOR X)。それよりも少しだけ厚めのアンバサダーエックス。
コーテッドアンバサダーは1プライ1milでできているが、アンバサダーエックスは1.2milとコーテッドアンバサダーよりも0.2mil厚くできている分だけ音が太くなる。
また耐久値も上がるからコーテッドアンバサダーではほんの少しだけ物足りないと言う人にオススメのスネアヘッドだ。
絶対に失敗しない
ジャズなどのジャンルをやっているのであれば話は別になってくるが、普通にバンドとしてこのドラムヘッドを張る分には絶対に失敗しないと言い切れる。
その理由は
- 高音域
- 低音域
- 中音域
- 耐久値
- 音量
すべての部分で少し上くらいでちょうど良いバランスを保っているからだ。
多くのスネアの標準装備されているコーテッドアンバサダーでは少し物足りないと言う声が多いが、こちらのコーテッドアンバサダーXの場合は少し力強さ感が増しているのが理由と言えるだろう。
また、通常のコーテッドアンバサダーでは平均値がまさにど真ん中すぎて、逆にチューニングが難しいと言う点が挙げられる。
こちらは少し厚くできているため余計な倍音がカットされている。
だから音に少し明確さが出ていて、実はチューニングしやすいのだ。
シェルを選ばない
コーテッドアンバサダーXは少し厚めになっていることにより余計な倍音はカットされている。
だから胴鳴りしすぎるブラスシェルでもチューニングは簡単に行える。
もちろん温かみのあるウッドシェルにも抜群に合うんだ。
コーテッドアンバサダーXで調子に乗るな!
(COATED AMBASSADOR X)の調子が良かったからといって、「もう少し厚めのスネアヘッドにしてみよう!」これは失敗する原因になる。
これよりも最も厚いコーテッドエンペラーXやコーテッドパワーストロークなどのヘッドに変えてしまうと、かなり音色が違ってきてしまうんだ。
タイトでダークそして太めの音が出てしまうようになるから要注意。
そもそも基準にする音域が違うから、それが失敗につながる。
エンペラーXは2プライに対し、コーテッドアンバサダーは1プライ。
この時点で求める音質にかなり違いが出てきてしまう。
コーテッドアンバサダーを基準に音色を変えたいと言う人にのみコーテッドアンバサダーXはオススメできる。
コーテッドアンバサダーX-AX-114の口コミ
この方の評価
- (品質)
- (拡張性)
- (音量)
- (耐久性)
- (コスパ)
- (オススメ度)
厚みが丁度いい
まずこの商品の最大の特徴は1PLYと2PLYの間という絶妙な厚さにコーテッドされたフィルムです。
そのおかげで暴れるような倍音成分はありませんが、スネアドラムにチューニングキーを回して張っていく工程の中で狙ったピッチに決めやすくチューニング初心者でも非常に扱いやすい製品だと感じました。
CSまでとはいきませんが絶妙なフィルムの厚さは耐久性がありますので、ハードヒットをするドラマーにも十分オススメ出来ます。
また、これはチューニングや好みの問題かもしれませんがスイートポイントでヒットすることでドラムスティックがヘッドに吸い付くような(少し食い込むような)感覚を得られます。
ローピッチにしても音の輪郭がぼやけることもなく、ハイピッチにする際も無駄な倍音成分が無く落ち着いていますので演奏中にチューニングがふらつくことがなく狙ったピッチでの持続性がかなりあります。
スネアのヘッドを交換したいけど何を買って良いか分からないという初心者の方や、今までコーテッドヘッドを使ってきたけどもっと音に芯が欲しいというプレーヤーの方に一度使用して欲しいです。
どこにでも売ってる
あと地味にありがたいのは、大手楽器店さんにはレギュラーラインナップとして置いてありますし、地方の小規模な個人楽器店さんにも割と置いてあるという事です。
それだけプレイヤーから支持されている(売れる)商品であるという事だと思います。
レアなメーカーやVintage製品も否定しませんが、手配に苦労せず耐久性やサウンド面で質が高いと感じるのはかなりコスパ良い製品ではないかと思っています。
ここがイマイチ
これは工場での大量生産であるがゆえ起こる事だと思っていますが個体差があるという事です。
そしてその個体差がコーテッドアンバサダーXも例外ではなく、ここ数年大きくなっているように感じます。
具体的にはフィルムの「ノリ(糊)」が剥がれにくさを感じています。新品のヘッドを張る場合まずはテンションをかけてヘッドを伸ばす作業をする方が多いと思いますが、手で伸ばすぐらいでは剥がれきれない個体が割とあります。
剥がれきれていないとピッチがなかなか安定せず、叩いていて「何か音が詰まったような抜けない感覚」が残ります。この個体差は購入時にはなかなか確認出来ないので、そこがもう少し改善してほしいイマイチなポイントです。
コーテッドアンバサダーXのまとめ
コーテッドアンバサダーX(COATED AMBASSADOR X)は、平均値より少しだけタイト感のある音域や倍音が丁度いい。
余計な倍音が少なくなっているからより、チューニングしやすい。
逆にド平均であるコーテッドアンバサダーに関しては倍音やサスティーンがあるため、逆にチューニングしづらい。
しかし、うまくチューニングできるとコーテッドアンバサダーは最強の相方になる。もちろんデスメタルというジャンルになってくると音量の限界が来るのだが。
コーテッドアンバサダーXに物足りなくなったら段階を追って徐々に、厚みを上げていくといい。
次は「コーテッドエンペラー」、次はコントロールサウンドなどの【REMO CS-114BA】に挙げていくのがおすすめだ。
急に極厚のエンペラーXやリングミュート仕様のパワーストローク系に行ってしまうと、あれ?なんか違うぞ?ってなってしまうから注意してくれな。
AX-114を検索